そして新しい船を買う事に - Deepblue Elysion
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2012/05/12(土) そして新しい船を買う事に

新しいお嬢様の装いは、ソーラックス!
ソーラックス.jpg
もう、財布がすっからかん。








Sakak Rydell「幸せの象徴とされた鳥は、はたして自身も幸せなのだろうか?」

依頼人は突然問うた。
「アチュラホワイトソングバードを知っているか?」

バード?鳥?あのぱたぱた飛んでるやつか?
シップで過ごす時間が長いほど働き者と思われる俺たちカプセラにはあまりなじみが無いものだ。かといって、俺が働き者かというとそうでもないが。
まあ、野鳥愛好家でもないので、まったく知らん。ホワイトソングというからには、白くて鳴き声がきれいなのだろう。
だからといって、興味が沸くほどでもなかった。

「知らんから、資料をくれ。」

向こうもその方が話が早いと思ったのか、すぐに用意してくれた。
幸せの白い鳥.jpg
アチュラホワイトソングバードは、サイシオⅡの山に生息する珍しい鳥だそうだ。
アチュラでは神聖な存在とされていて、旧アチュラ政府の残党がこの鳥のつがいをカルダリ連合に贈ったのだそうだ。
惑星外でも生息できるよう、遺伝子操作されているらしいが、神聖な鳥を遺伝子操作とか、よくわからんな。
とにかくその鳥が強奪されたらしい。それは旧アチュラの連中にも顔がたたんか。

強奪したのはガレンテの環境テロリスト、わざわざ声明まで発表してきたらしい。

まあ、声明を要約するとこうだ。
「環境を破壊しつくして成長してきたカルダリ連合がこの希少な鳥を大事にできるわけ無いだろう。」
まあ、もうちょっとごちゃごちゃ言っているようだが、こんなところで充分だ。
ガレンテが環境をそこまで大事にしてきたようにも思えない、俺はガレンテから来たからそう思うわけだが、この手口でこの声明は少し恥ずかしいな。

依頼人はさぞ腹が立っているのか、鼻息荒く言う。
「ガレンテを追いかけるのに口実などいらぬだろうが、こいつらは連邦海軍よりも価値が無い。」
怖い怖い、俺もガレンテなんだがと言うツッコミはよしておこう。

まあ、ガレンテだろうがなんだろうが、強奪はいかんよ、強奪は。
とはいえ、よくわからない大義名分をかざしているのに長生きできる連中は、大抵後ろに何かがいるものだ。
おそらく直接手を出せないガレンテの軍なりなんなりの支援を受けているのだろう。
向こうも向こうで、どうせ矢面に出てくるのは依頼を受けたカプセラであろうから、恨みっこなしだ。
ただの強盗なんだったらそれはそれで遠慮もいらんだろう。
割と詳細な位置データまで持たされて、俺は現場に向かった。

そこにはボロい…いや、太古のアクセラレーションゲートと、環境テロとやらの船が見えた。
見えた気がした。

気がした、というのは、それが一瞬だったからだ。

ワープしたのだろう、俺はそのゲートで後を追った。
追ったつもりだった。

だが太古の門番は俺を通してくれる気がなかった。
どうやらこの年代もののゲートでは巡洋艦の質量を飛ばせないようだ。
財布の中身を無重力にしてくれたソーラックスも万能ではないな。

いたしかたない、門番に気に入って貰えるよう、お嬢様の身なりを整えてくるか。

ユイトラに戻り、とりあえずハンガーで埃をかぶっていたマーリンを引き出してデータを転送する。
気の小さい俺としては、フル装備の、それにもう一回り大きいコーモラントかカタリスト辺りでしっかり準備したいところだがなにせ時間が無い、まあ先日のアレで、金もない。
装備もありあわせのレールガンは口径も弾薬もバラバラで頼りないが、ミサイルランチャーが残っていてくれたのはラッキーだな。
この前使いもしないのに特売だからと買っておいたインフェルノミサイルも思わぬところで役に立ちそうだ。

俺たちはそれ相応のナリに着替え、パーティー会場へ向かった。


ご丁寧に場内アナウンスか。
「おや悪いね、わが小さき友らの事を注意しておくべきだったな。」
そう言って主は奥に引っ込んでしまった。

小さき友ら、か…確かに小さい。
大量の小型ドローンがお出迎えだ。
まあ、アウェイのゲートに飛び込めば待ち伏せは当然だが、小さい船小口径の武装が飛び込んでくるのがわかっているのに小型ドローンとは、無駄な事をするものだ。
やられる為に接待してくれるのか、やられる事が接待なのか。いかんせん数が多い分、時間稼ぎにだけはなっていると思うが。

しかし、わかりきった結末。
急ごしらえの身支度でも問題ないものだ。
とはいえ、これで終わりではない、さっさと主に謁見を申し込むとしよう。

さて、奥には…
少し成長して大きくなったか?
フリゲートが数隻、さっきの奴は居ない。
ナメられたものだ、それとも、まだ時間を稼いで何かやらかす気か?
さっさと片付けておいて損はない。

回顧を中略できるぐらいあっさりと勝負はついた。
あまりに動きにキレがなかったからだ。もしかしたら、無人艦だったのかもしれない。
次へ行こう、そろそろ主には相手をしてもらわないとな。


そして、主はそこに居た。

「君には降伏するチャンスがあった。私は今、君を殺さねばなるまい。」
全く、その台詞、そっくりそのままお返しするぜ。


ん…いやちょっと待て。
まだ弾の届く距離じゃないだろう、何で撃ってくる。
この距離でもかすってるぞ、シールドブースターを回すぞ。

「既にアクティブにしてあります。敵艦は中型のタレットを搭載しているので射程距離が長いのは当然です。」
そういう話じゃなくて。
何でアイツは巡洋艦なんだよ、あのゲートじゃあ運べなかったろうに。

「正確な解答となるか不明ですが、ここで組み立てれば可能ではないでしょうか。」
ごもっとも。まさか、時間を稼いでいたのはこれを準備していたからか。

やっぱり急ごしらえの身支度だとなんともならん。
さっきとは180度違う事を考える。人というのは身勝手なものだ。

とは言っても、仕事はこなさなければならない。まあ無理でもせめて生き残らなくては。
遠くからゴリゴリ削られるだけではジリ貧だ。ここは無理に突っ込んででも詰めて行こう。
アフターバーナーを使うか。おっさんにこの加速はキツいんだがな…

シールドの8割と引き換えに30km近い距離をほぼゼロに詰めた時点で勝負は決まった。
いかに巡洋艦の火力が大きくても、すぐ傍を高速でうろつかれてはマトモに狙って撃つことは出来ない。
投降する気のない自称環境テロリストは、機体の7割も損壊しない間にさっさと脱出して逃げてしまった。

環境テロリストだけあって、鳥が入っていると思われるコンテナは厳重に封印されていた。これだと船が爆発しても鳥が無事そうだ。
しかし厳重すぎて、鳥が本当に入っているのかもわからないぐらいだ。
スキャンすると、中には生命反応が一つ。
もう片方はどうした。確か、つがいだと聞いている。もしや俺、やっちまったのか?

近辺を詳細にスキャンしたが、そういうよからぬ反応も、それを入れるべきコンテナの破片などもみあたらない。
そもそもこのコンテナが、元々二羽が一つのコンテナに入る設計になっているようだ。

中身だけ居なくなった?
もしかしたら、あの環境テロリストが持ち逃げしたのかもしれない。
だとしたら、まあしっかり育ててやってくれ。

その辺り報告したが、取り敢えずやむなし、ということで俺がペナルティを受ける事もなかった。
あとはこれを届けるだけだ。


マーリン.jpg
帰りのワープ中、うとうとしていた俺は、寂しい鳥の歌声を聴いたような気がした。



すまんな、うまくやれなかった。

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