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2016/12/02(金) 宇宙の海は

俺の海、だっけか

EVE ONLINEが知らない間に基本プレイ無料になってた
16120201.jpg
そういうお知らせメールが来まして

そりゃまあ、ログインするよねー

ソーラックスに乗ってた
16120202.jpg
そうね、レトリーバーを保険かけずに撃沈されたんだったよな……(遠い目)

色々思い出すと懐かしい、でも操作方法結構忘れてる!

ちょっとだけインしてとりあえず落ちてしまったのであった

2012/11/12(月) 汝欲張るなかれ(おまけ)

不幸の星は流れる間に反省する



…結局道中ヒマだ。
反省会でもやるか。

「マトモに採掘した事もなかったレトリーバーが撃沈だ。まったく、まいったな。」
「そうですね。」

「ついノって掘りに行こうとした事がそもそもの間違いか。汝欲張るなかれ、か…」
そうだ、素直に最初の仕事だけしておけばよかったわけだ。
欲張るとこうなる。

「脱出は欲張らなかったからこそ成功した事ではあります。」
「まあ、命あっての…だからな。」

「今度からは気をつけるさ。」
「しかし、今回最大に反省する部分はそこでは無いようです。」

ん…そもそもの元凶は掘りに行った事だろ。
他に何があるってんだ。

「なんだ?それは。」
「大変申し上げにくいのですけれど…」
「なんだよ、俺とお前の間に隠し事は無しだろう。」
自分でも、何か言葉の使い道を間違っている気がするが、とにかく何故言いよどむのかわからない。

「あの…」
だから何もったいぶってんだよ。



「あのレトリーバーには、保険がかかっていませんでしたよ。」




な…
あわてて所有船一覧の履歴を見る。
確かに、こいつだけ保険がかかっていない。

「何でかかってないんだろう。」
「前回アイスを採掘する時には護衛艦がいましたよね?」
「ああ、ザネッティの野郎に記念のアイス1個あげて周り見てもらってたっけな。」
「護衛がいるから大丈夫だろうし、3,4個も採ったら引き上げて当分採掘なんてしない。今は船を買ったばかりで金を使いたくないから、保険は次採掘する時にかけよう。というような事を聞きました。」

あー
あー…
あったな…そんな事…

「記憶している事とはいえ、システム上現在の思考から過去の記憶を呼び出す事はできても、過去の記憶を発端に現在の行動を新規で行えるわけではありません。」
そうだ、いくらお嬢様が優秀でも、コンピュータである呪縛からは逃れられない。
それっぽい行動が出来ても、それは「過去にこういうことがあった場合、こうしなさい」というルールが常駐しているだけに過ぎない。

「悪い悪い、俺が悪かった。」

「ですが、保険をかけていない艦船を出港させる場合は毎回確認を取るという決まりを設定したので、今後同じ事は起こらないでしょう。」
「まあ、それが反省ってヤツさ。」
「もちろん、貴方の最終決定に『まだ保険をかけずに出港する』が無ければ、ですけれど。」

「…もう買ったらすぐかけるルールにするから許せ。」



いやほんと、汝欲張るなかれ、だよな。

2012/11/12(月) 汝欲張るなかれ(本編)

Sakak Rydell「くれるというものを貰うだけでもリスクはあるものさ」


相変わらず気ままに動き、ふらりと立ち寄ったステーションで依頼を受ける。
ずっとそういうことばかりしているが、その内容は毎回違うのだから退屈もしない。
そう、今回もいつも通り、のはずだった。

例によって立ち寄ったステーション、例によってエージェントにコンタクトを取る。
だが、返事はない。ビジフォンの背景にはエージェントと事務所の人間が慌しく動いている。
これはなにやら非常事態のようだ。俺はお作法無視で直接事務所に赴いた。

「何があった?」
挨拶代わりに一言で、非常事態であると認識していること、一応協力する気がある事を示した。


話はこうだ。
ここ最近、あるアステロイドベルトで採掘調査船が次々と姿を消すらしい。
今まさに、そういう採掘船がロストしたところなのだ。そりゃあ慌しくもなるな。
どうもそのエリアは採掘権でモメているようで、恐らくは大きな企業がが個人や小規模企業の採掘船を排除しているのだろう。

どいつもこいつも、汝欲張るなかれ。
仲良く採掘してりゃあいいのにな。
今暗躍してるそのデカいトコも、それよりデカいトコが襲ってきたらひとたまりもなかろうに。


とりあえず、微弱ながら救難信号はキャッチできるらしい。
緊急なので様子を確認することだけしか確約できないが、まずは一秒でも早く現場に向かう事にした。


目的地までは特に危険なルートではないのだが、いかんせん距離がある。なんとも暇だ。
「なあ、どう思う?」
到達までの時間も嫌な事を考える時間を少しでも潰したかった俺は随分とお間抜けな質問をお嬢様に投げかけた。

「漠然としすぎて満足の行く回答はできないと考えます」
だろうな。

「なので、的外れかもしれませんけれど、漠然と答えさせて頂きます。」
「今までの状況を総合すると、偶然立ち寄った私達が確認を引き受けて差し上げたお陰でそれ以外の手段と比較して圧倒的に早く到達できます。どうなっていても私達には非がありません。」
まあ、考えうる最善であろう事は、頭ではわかっているさ。神様じゃないし、どうしようもない事だってあるわな。
そう、汝欲張るなかれ、だ。


たどり着いたそこは随分田舎なシステムで、確かにこのあたりなら未開発のアステロイドベルトもあるだろう、そんな雰囲気だった。
ぼやけた救難信号ではあったが、追いかければアステロイドベルトらしき所にはたどりつた。
らしき、と言ったのはなんとも嫌な感じの光景だったからだ。

きっと問題の船はこれだったんだろう、というハルクの残骸。
他にも多数の採掘船の残骸がすっころがっている。
アステロイドがごろごろしている景色なのにこの残骸の山はなんとも不気味な感じだった。

「救難信号の発信元はこの残骸ではありません。」
呆けた俺を本来の仕事に呼び戻してくれたなんとも微妙な事実。

「じゃあどこだよ」
「もう少し離れた所に分析用のラボらしきものがあります。恐らくそこかと。」
たしかにそんな感じの建造物があるが、採掘船が壊されているのにラボが残っている事がいまいちわからない。
しかし救難信号がそこからなら、行かざるを得ない。
恐る恐る近づくと、微弱な電波を感知した。

「・・・こちら・・採掘・・・に・・・」
「なんだって?聞こえねーぞ!」
電波が弱い事と声の大きさは全く関係ないのにうっかり大声で問いかけてしまった。

「もっと接近しましょう。」
ゆっくりと、ぴったりとその建造物に横付けすると、クリアな音声が聞こえてきた。

「救難信号をキャッチしてくれたのか?こちらはこのエリアで撃沈された採掘屋連中の集まりだ。」
「一体なにがあった?」
「ここに来る連中はみんな海賊船に船をやられちまってな。ただヤツらは、採掘船が破壊されてしまえば何の興味も無いように消えていくんだ。」
略奪していかないのなら、排除の為雇われたカプセラなのかもしれんが…さてどうか…

「艦船のワープアウトを確認。まだ射程には入っていません。」
考えるヒマもない。とりあえず丸腰の連中を巻き添えには出来ん。俺はすぐさまラボから離脱した。

「ロックされていますね。」
「まあ一応、紳士的にお相手しようや。」
いきなりぶっ放して何もかも自分のせいにされてはたまったもんじゃない。俺は小物だからな、責任とかそういうのは大嫌いだ。

「あーあー、当方はただの調査船であり、交戦の意思無し。平たく言えば見逃してくれんかな?」
「言葉遣いからしてまるで紳士らしくありませんね。」
まあ、根が紳士じゃないからしかたないな。

さて返事は…?


「この宙域を調査および採掘する艦船はいかなるものであろうと実力で排除するのみ。」
おい!言い終わる前にミサイル撃ってきてるだろこら!

「致し方あるまい。」
「致し方ございません。」
ハモった。

一気に全兵装をアクティブにした「ただの調査船」はあっという間に三隻の武装船を実力で排除した。
まあ、ソーラックスで調査船と言い張るのは無理があるか。


さっきの難民を収容して、とりあえず戻ることにした。
全員の話を聞くからに、さっきの三隻で全部らしい。命が助かったことと、当面の敵が排除されたことで採掘が再開できると連中は盛り上がっていた。
まったく、逞しい奴らだ。

上機嫌な連中は、採掘を俺にも勧めてきた。
彼らもまた、船を再調達して採掘に向かうのだろう。
確かにここんところ採掘なんてまったくやってない。採掘専用にレトリーバーを調達したはいいものの、記念にアイスを何個か取って倉庫に飾ってるだけの始末だ。
問題の船は沈めたし、こいつら公認で採掘し放題というのは、確かにちょっと多目のボーナスというところで、悪くはない。

とりあえず俺は、レトリーバーに乗り換えて戻る事にした。




レトリーバーを収容していたドックは遠く、乗り換えはしたものの、到着まで時間がかかりすぎる。
まあしかし、さっきの採掘屋たちはバラバラのタイミングで撃破されていてのあの証言だから増援が来るとは思えない。
まあ、そもそも辺境でルートも限られている以上、増援が来るとなると俺達と鉢合わせているはずだ。
このルートでは、あまりの辺境ぶりにせいぜい一、二隻程度しかまだ船を見ていないぞ。
あのアステロイドも人に知れ渡っているわけではないから平和なもんだろう。


「到着しましたよ?」
いかん、すっかり寝てたぜ。

「念のため手前にジャンプしてみましたけれど、特に艦船の反応はありませんね。」
気が利くものだ。が、いかんせん足の遅いこの艦ではおかげ様でなかなか掘る所まで至らない。
安全と判るとそんなに欲深くなるものなのか。自分で笑ってしまう。

やっとアステロイドに横付けし、採掘を始める。
さすが採掘専用艦、今までやってきた採掘はなんだったのかというスピードで掘っていく。
だが、腹いっぱいまでにはしばらくかかりそうだ。


ヒマだ…
ヒマ…
「そうでもないようです。艦船の出現を確認、二隻です。シグナルは一応白ですね。」
さっきの妨害野郎の増援なら既にここで待ち構えているはずだ。
しかし他にここがわかる船があるのか…助けた連中が新しい採掘船を見繕って戻るにはちょっと早過ぎる…
あの船、さっき通りがかりに見たやつじゃないのか。
まさかステルスで尾行されてた?それでもここを知ってなければ普通来れない筈だ。
方角だけでアタリをつけてきた…?ならこいつらはプロ中のプロだ。

二人は同時に叫んだ。
「ズラかるぞ!」
「ロックされました。」
ハモらない。

一方が高速で接近してのジャミング、一方が高火力船か、さっきのやつらとは全然違う、やはり本職か。
これは…


「詰んだな。」
「詰んでいますね。」
ハモった。


ものの数秒あれば行動不能は確定だろう。拿捕されるにしても、撃沈されるにしても問題はそこから逃げられるかどうか。
その数秒の間にすべき事を考えよう。

この宙域にあいつらの輸送艦がいない、積荷が欲しいわけでもないだろう。
無言で撃ち込んで来ているのだから要求があるわけでもないだろう。
単に息の根を止めたいだけという事になる。
拿捕する気もないのだから、やっぱり撃沈まで持っていく気だ。なら、ポッドも狙われる。

「爆発前に飛び出…」
身体に衝撃が走る。言い終わる前に脱出ポッドは飛び出した。
奴ら、爆発時のタイミングで脱出すると踏んでいたのだろう、意表を突かれたようで、爆発時にはすでにジャンプ体制に入った俺達に追いつける事はなかった。


でたらめに跳んだ何も無い宇宙空間。
財布に深刻なダメージを負った俺としては呆然としたい所だが、とりあえず丸裸に等しいこの状態から抜ける為ステーションに向けよう。
辺境だからまず、ステーションのあるシステムまで跳ばないとな。



やれやれ…


光の尾をなびかせて逃げ帰る脱出ポッドは、流れ星のようだったかもしれない。
もしこれに祈った奴がいたら、100%不幸になると思うがな。

2012/09/14(金) ローカライズに関するアンケート

回答のお願いがきたのでちょっと答えといた。
ゲームを日本語化するというのは難しいなあ、とか、やっぱ EVEの日本展開はローカライズが泣き所だよなあ、とか思いながら答えてきたのでした。

情報そのものは(一部同じ単語を表示箇所によって別の言葉として訳されちゃってりしてるけど)それなりにわかるように翻訳されているので、「向こうの感覚」ではさほど問題でもないんだろうなあ、とは思ったり。



日本のネトゲはちょっと古いところだとDIABLOとか?MMOだとUOとか?があったりしてたんだけど、それらで言うと

DIABLOはそもそもローカライズが必要ないぐらい、文字情報に依存しない(アイテムの名前で強さが変わったりしても、記号的に覚えてしまえばいいだろうし)

「当時の」UOはプレイヤ同士のコミュニケーションに依存する部分が大きくて(大半の遊びそのものもプレイヤ同士で作り上げてしまっていたわけで)システムメッセージのローカライズは意味さえわかればそれでよかったし、重要度が低かったNPCのセリフなんて英語のほうが雰囲気があるよねぐらいに思われてた感じ。

あの時代にEVEの日本語版クライアントが存在していたのだとしたら、現状でも大して問題なかったろうし、もうちょっと日本人ユーザも増えてたかなーなんて思っちゃう。


さてネットゲームじゃないものは当時どうだったのかというと・・・
国産のゲーム、ことRPGについてはドラクエの頃から、プレイ量に応じて進行が概ね約束され、ストーリー展開を先まで見ることができるもの、みたいな感じだったじゃん?
(それがいいとか悪いとかいう話じゃなくて)
そこでストーリーをより深く見せていく為に重要だったのは、キャラクタだったと思うのね。
日本はマンガやアニメの文化が発達していたから余計にそうなのかなーって思うんだけど。
主人公や、NPCキャラクタ達に特徴があって、魅力的で、そこから色々なことを想像できちゃったりもするっていう感じ?
世界観とかの大枠な設定項目からより、キャラクタの設定から広がる世界の一部のほうが多分強いと思う。

なんていうか、世界観的に重要(ゲームストーリーやシステムと関係なく)なランドマークと、魅力的なNPCが自分のエピソードを語る中に出てきたランドマークだと、後者のほうが見に行く人が多いだろう、という感じ。



UOとかよりもうちょっと後のMMOとかになると、韓国産のMMORPGの日本語ローカライズ版みたいな感じのが出てきたよね。
欧米のネットゲームのテイストより、コンシュマーのRPGとかの方のテイストを取り入れて、メインシナリオとかがあったり、NPCのグラフィックやボイスなんか入れてみたりとか、そういう方向。
で、日本人の好みに合ったのか、ライト層の増加にも一役買ったり。
安く仕入れてそこそこ売れるからってそういうのが爆発的に増えた結果、それが日本におけるMMORPGの標準みたいになってきちゃった。

さてEVEはどうかというと、ワールドの外枠としての世界観はしっかりできてるけど、ローカルな部分とかキャラ性には乏しい。そういうゲームだからしかたないんだけど。
自分のアバターも動き回って見せ付けるようなこともないし、エージェントのハッカラスイホラさん(なんかそんなの居た気がする)が独特の服装で特徴のある言葉遣いをするわけでもないわけで。

たまにトークの内容に特徴のあるのがいるようなんだけど、自動翻訳されているのか、語尾が大体同じなのよね。
日本語の作品って、各人の喋り方で特徴を出すことを当たり前にしてきていて、日本人ユーザはそれを当たり前に体験してきているから、それが無い事には違和感があるというか、物足りない部分があるんじゃないかなあ。
でもこれをEVEで解決するのはさぞや難しいことだと思う。

他のローカライズ作品は、大抵日本語のメッセージデータに丸ごと差し替えられているから、日本独自のセリフとして日本運営のスタッフが手を入れることができるけど、EVEはそれが技術的にも、運営的にも難しそうなのよね。NEXONは決済代行だけみたいになってるし。

セリフの問題と、あとなんだろ、有名人?ミッションのやられ役のやつとかで名前決まってる奴とかいるじゃん、あれらにオリジナルの服装とかさせてちょっとフィーチャーしてあげて、同じ服を売ってあげるとか、すっごい地味な手段でちょっとずつやっていっても…うーん。

難しいなあ、と思いながら地味にスキルセットしたり散歩するのでした。

2012/07/21(土) 楽なものにはなんとやら(後編)

Sakak Rydell「言うは易し、にも程があるというものだ」


「おいおい、マジかよ?」
報告後に話を聞いた俺の第一声はそれだった。

「ガレンテのジャンプゲートへ飛び、破壊するのだ。」
「ゲートはどんどん強化されている途中で、破壊するのも一苦労、放っておけばもっと壊しにくくなる。」

そりゃわかるさ。

「敵戦力はカルダリ海軍と別のエリアで大きな戦闘に取られているはずなので、今しかない。」

それもわかるさ。

「ジャンプゲートがダウンすれば、相手は増援を絶たれる上に退路も失う事になるわけだ。」

それだってわかるさ。
それが出来れば大勝利だ。
問題は、それを俺一人がやる事だろうよ。

「サカック君、君には期待しているわけだよ。」
それは完遂する能力があるであろう期待ではない。単にそれでも断れないんタイプだろうという期待だ。
それも、わかってるさ。

実際、先刻俺が協力を求めに行くぐらいだからここには戦力がない、海軍は大規模戦闘という名の陽動でいっぱいいっぱい、俺が行かなければ増援も到着するだろう。そうなってから俺が向かっても増援と鉢合わせてゲートの破壊もままならない。そうなれば泥沼化は必至だ。
一秒でも早く到達できれば可能性があるというのは俺にもわかっている。
わかってしまうということは損な事だ。

しまった、目が合った。
そうだ、社長は決断する生き物だったな。
「…報酬を上積みして待っていろ。」
ウダウダ言っている間にすでにデッキに足を向けていた俺は、すぐさまステーションを後にした。

どうせ行くんだ、早いほうがいい。



嫌な事は早く終わらせたい。
だが、嫌な事はずっと手をつけたくない。
だが俺は、本当に手がつけられなくなるのは嫌いだ。
なんとでもなるものを、手をつけずに先延ばしするのが好きな怠け者なだけだ。
だから今は、これを片付けるとしよう。

自分に言い聞かせるようにつまらない屁理屈を並べているうちに、目的の宙域に到着した。
もう見たくなかったんだがな。

だが、以前と露骨に違う事が二つある。
一つはゲートがはっきりと強化されている事だ。
見た目は全く変わらないがな。
なら何故判るって?それが二つめだ。
二つめは…

まっかっか.jpg
前回転送できなかったはずの巡洋艦クラスを含めた敵艦隊がお出迎えしてくれているからさ。
「シグナルオールレッド、当然ですね。軍の巡洋艦が3隻、その他小型艦は数えるのを辞めましょう。」

さて…この状況、何から片付ければいい?
「とりあえず、突っ切って4つは落とす。それまでの防御は預ける。後は一直線にゲートに向かうぞ。」
「突っ切った後はターゲティングコントロールを預けてください。適当にやります。」
よし決定。

一瞬の作戦会議が終了し、猛スピードで正面突破を試みる。
まさかの突撃に面食らう小型艦を次々ロックし、ぶっ放す。
めったに使わないミサイル艦だったが、これはこれで役に立つものだ。
巡洋艦では捉えきれず、小型艦は数の多さから相打ちしようという奴などいない。落ち着いて狙えるスピードでもない。いくら数的優位といっても、まだ相手のフォーメーションが決まってもいないとりあえず程度の迎撃で撃沈させる事など出来ない。
敵だらけの中、俺たちは思ったほどの損害を受けていない。それがまた相手の混乱を誘う。
今の所いいスパイラルだ。

予定より2隻多い6隻のフリゲートを沈め、まっすぐにゲートに向かう。
相手は急反転を余儀なくされる。さっきの突破が上手くいく程度の相手が一糸乱れぬ反転追撃を行えるわけもなく、少しずつ速度差でバラけながらついて来る。
相手に背を向けつつ、お嬢様が選んでくれた適切な射程の武器をターゲットに打ち込む追いかけっこが始まった。
これはたまらない.jpg

小型艦は傭兵なのだろうか、いまいち統率が取れていない連中だ。あれだけいたフリゲートは壊滅。ゲートまではもう少し距離がある。
巡洋艦は一隻がどさくさ紛れに大破、残りはまだ射程圏外だ。こっちの方が足があるぶん追いつかれる事も無いが、ゲートを攻撃している間に到達されるとやっかいだ。ゲートの耐久次第か。

「あらあら…来ます。」
「何が。」
「見ての通りです。」

増援か…
ゲート側に敵が現れる。小型艦ばかりではあるが、全部を無視してゲートを破壊も無理だろう。
交戦していれば巡洋艦も到着する。

ああ、スマートじゃない。全然スマートじゃない。
でもこれしかない。

「全滅させるか。」

おかしい、最大級に楽な仕事だったはずなのにな…


到達までの時間が少しあった分、シールドの回復も間に合った為、小型艦との戦闘そのものに苦労する事は無かった。
思ったより早く片付けたせいで巡洋艦はまだ遠くだ。

「わかるか?俺は楽がしたい。」
「では予定変更で、やられたらその時に考えましょう。」

察しがいいのは本当に助かる。
俺は、巡洋艦を待たずにゲートだけを破壊する事にした。
もうやる事は一つ、ひたすら弾を撃つだけだ。
一応、ゲートを間に挟むように展開しておいたので、幾分時間は稼げるだろう。
全速力で向かってくる巡洋艦にビビりながら、延々ミサイルとアンチマター弾を撃ち込み続ける。
既に巡洋艦は射程距離に入りつつあったようで、せっかく挟んだゲートの隙間を縫って撃ってきやがった。なかなかの度胸と精度だ。
軍人魂と、俺の怠け者魂がぶつかり合う。

どうやら、今回は怠け者の勝ちのようだ。
ゲートの爆発に紛れて即座にワープドライブを起動。始めから目標地点に頭を向けておいた分、向こうから見たらゲートと一緒にふっとんだように見えるかもしれないな。


「マジで疲れた。」

げんなりした俺を迎えてくれたエージェントは俺とは逆に、異様にテンションが高かった。
つまりはなんだ?

海軍と交戦中だったガレンテ艦隊が敗走、その際指揮型巡洋戦艦を捕獲したらしい。
大戦果だな、だが俺には関係ない。
ところがだ、事のいきさつを海軍が知ってしまっているようなんだな。
ある種今回の戦果は俺のおかげといってもいい、らしい。
だが、別に俺個人の事を知っているわけではないので、つまりはあれだ、ここのステーションの管理連中とこのエージェントの手柄って事だ。
ここにとっては今後、海軍との交渉ごとにはオイシイ材料になったな。
かといって、それすらもニュースで流れることは無いだろう。こういう事を公表すれば全面戦争にだってなりかねない。

誰の手柄でも、真相は闇の中。そして俺の懐が暖まるわけでもない。
そもそも、楽をしたかった成れの果てなので、手柄が欲しいわけでもない。
しかし、エージェントは俺の事を闇に隠れた英雄扱いでヨイショしてくれている、現金なものだ。

…まあ、乗っかっておくのも悪くない。
その日はしこたまいいものを食わせて貰い、翌日ステーションを後にした。


しかしとことん楽をしたかったのに、とことんしんどい仕事をしてしまった。
後日我に返った俺は、終わったはずの英雄の仕事の面倒さに改めてぶつくさいいながら、別のステーションで海軍がらみの仕事を請けた。
俺を見て何かに気づいたようなそぶりを見せた後、そのエージェントのお姉さんの対応が妙に優しかった。

…まあ、大仕事も悪くないかもな。
単純なことは、幸せな事だ。

2012/07/01(日) 楽なものにはなんとやら(中編)

Sakak Rydell「猫の仔一匹いなければ、俺は誰の手を借りればいい?」



「ガレンテ?ここに?冗談だろう。」

俺の報告を受けたエージェントはさすがに驚いていたようだ。
そりゃあそうだ、単なる海賊風情やテロリストではない、まさかの敵国軍隊だ。
勿論、おおっぴらに交戦状態なわけでないエリアに敵国が侵入してきて何かするなんてことは普通に起こりえるわけだが、まさかこんなご近所でそんな事を、という所だろう。
人間、自分だけは事故に会わないと思いがちなものだ。

奥に引っ込んだエージェントは対策会議でもやるのかと思いきや、すぐに戻ってきた。
ショーの録画をセットしていたらしい、よほど大事なショーなのか、若干内容が気になったが話が長引くのも面倒だ。ここは黙っておこう。

エージェントは淀みなく言った。
「恐らくガレンテは既に別の部隊を展開しているはずだ。ゲートの護衛部隊と本体の両方を相手に戦うことは戦力的にも位置的にも不可能だ。私が海軍への要請を取り付けるので、ゲート側のかく乱をして欲しい。」

ふむ、案外優秀だな。
しかし、次に向かえばそれなりの部隊が待ち構えているに違いない。
結構な自殺行為になるが…

目が合った。

「安心したまえ、君には直接ゲートに向かわず、インタキシンジゲートを目指して欲しい。彼らは私に借りがあるからな、彼らの基地へ行って支援を取り付けてくれ。」

察して貰えたらしい。


「交渉の手段は問わない。」


…コネを使うのはかまわないが使い方は自分で考えろ、か。
まあ、一人で戦うよりよほどいい。
しかし急がなくては、ガレンテの部隊がどれぐらい進入しているかもはっきりとわからないが、さらに追加が来られてもたまらない。
今回は時間との戦いのような気がする。
俺は慌ててステーションを飛び出した。

シンジゲートの支配エリアに跳ぶ間に、どう交渉するか考えるかな…
まあ、手近な所に相談してみよう。

「なあ、どうしたらいいと思うよ?」
「私がわかるわけがありません。」

おやおや、即答だよ。

「我々にはインタキシンジゲートに関する独自データの蓄積がありません。ネットワークで調べられる程度の情報ではエージェントの言う貸しも詳しい内容がわかりません。そもそも人間同士の交渉に関する有効な手段を私が提案できるとは思いませんし。」

あー、もういいってわかったって。

「ただ一つだけ言えることがあります。」
「なんだ?」

「今回は、貴方の得意な出たトコ勝負だと考えます。」
褒めたのかバカにしたのか、ハッキリさせると自分がヘコみそうなので黙っておいた。

そうこうしているうちに、たどり着いたが、そこにはとても残念な光景が広がっていた。



確かにそこに基地はあった。
廃墟と化した基地が。

これは…こっちのやり方を読まれていたのか。まあ読むも何も、ただのカプセラが偵察に来て色々知ったら、本人だけで叩きに来るとは思わないだろうから、周囲の支援を求める以外方法がないわな。
この分では、コネがあろうがなかろうが、付近の有力な組織は大体やられているのだろう。なんだか申し訳ないな。

生存者の反応があったので、軽く救助にあたる。
おかしい、俺は助けを求めてここにきたんだがな。

生存者曰く、やはりここを襲ったのもガレンテ艦だったようだ。
これは益々、時間との戦いとなってきたぞ…
帰るまでに海軍の準備が出来ていればいいが。
そしてその海軍から1,2隻都合してくれればありがたいが。

さて、どうなる事か。
帰りのジャンプ中、二人だけの作戦会議が行われた。
結論はこうだ。

「結局、出たトコ勝負でしょう。」

作戦でもなんでもなかった。

2012/06/27(水) 楽なものにはなんとやら(前編)

まだイマイチフィティングも決まっていないソーラックス。
つまりは1ランク弱い船でも楽勝な仕事を試しにやってみたいじゃない。
そう、そんなラクな仕事の結末は…?



Sakak Rydell「楽して儲けたいというより、楽に生きたいだけなんだがな」

そう、ラク出来ると思っていたのさ。
何せ偵察だ、見て帰ってくるだけだ。
どれだけ凄い艦隊とかを見ても、何もせず帰ってくるだけだ。
な、楽ちんだろう?

怠惰のためには努力を惜しまないこの俺が見つけてきた最大級に楽な仕事だ。

俺はガレンテ人だが、今カルダリで活動している。
俺はどの勢力がでも、どの人種がでもなく、あくまで俺のルールで依頼を受けるか決める。
まあ、向こうから蹴られる分には食い下がらないが、猫の手も借りたい所もあれば、あくまで働きで評価するような所もある。関係の良くないと言われるカルダリでも、なんだかんだで仕事にありつけるわけさ。
まあ、そういうものをこなしてきた地道な努力がこの仕事に繋がったと言えよう。カルダリ海軍にも、ゴマをすっておくものだ。



依頼側も楽な仕事と思っていたのだろう。俺に仕事を預けたエージェントは、すでにホロ画面に夢中だ。なんでもお気に入りのビデオショーの時間らしい。まあ、ゆっくり見ておくんだな。
俺も道中くつろぐべく、狭い操縦席でもぞもぞと最適な姿勢を模索していた。

楽すぎて困る、ということに直面した事は無いか?
今がまさにそれだ。
最適な姿勢が見つかった頃にはもう、現場に到着していたのさ。

ガレンテタワー.jpg
遠距離からのスキャンでははっきりとわからなかったが、これはモロにガレンテ軍の使うコントロールタワーだ。
加えて小型のジャンプゲート。お嬢様の解析では、建設中とはいえ、多少の時間をかけて強化すれば巡洋艦クラスまでは飛ばせるシロモノらしい。
完全に建設が完了すれば…考えたくないな。
参ったな。ここ、あくまでカルダリ側国境なんだがな…

だらけた姿勢のまま、嫌な考えがよぎる。

ヘタにつついて準備をされると、どんどん戦力をワープで送られてしまう。
俺の行動一つでは、小競り合いで済まない規模に発展するかもしれない。
仕事の規模を超えた大局的な責任まで乗っかってくるのはかんべんして欲しい。

とりあえず、余計な事をせずにさっさと帰…れないな、これは
せっかく見つけた楽な姿勢も戻さなければいけなさそうだ。

フリゲート艦が一隻、猛スピードで近づいてくる。
すでにロックオンされている。スピード的にもまず振り切れない。
単に撃破するなら簡単だが、それもまずい。
しかし黙っていても、後続が来たらもっとまずい。
何をどうしてもまずいので、ここはちょっと小細工をしてみようか。

俺はとりあえず、ガレンテ軍用周波数に合わせた
「こちらガレンテ軍所属、サカック・ライデル准尉だ。本部に問い合わせたがこの宙域に軍が駐留しているという情報は無い。説明を求む。当方に交戦の意思無し。」
勿論でっちあげだ。軍人でもなければ本部に問い合わせなど当然無い。
逆に俺のデータを照会されれば即バレだが、多少の時間稼ぎにはなる。
まあ幸い、ガレンテ人でガレンテ登録のカプセラで、ガレンテの船に乗っている。

問題は、バレるかどうかより、撃たれる前に返事が有るか無いかだ。

返事は通信ではなく、アンチマター弾だった。
当然そうなるとは思っていたし、これで成功だ。
まあ、向こうは恐らくガレンテの特務部隊だろうし、軍部内でも隠密行動であろうよ。
組織の綺麗な上っ面を保つ為の汚れ仕事を負っている連中は嫌いではないのだが、お互い仕事だ、止むを得まい。

さて、わざわざ聞こえるように言ってやろう。
「こちらサカック。ガレンテ軍を装いカルダリの領宙を侵し、混乱を招くテロリストに対して反撃を行う。」


向こうさんが本物のガレンテ軍である事など百も承知だがな。


まあこれで、少なくとも軍用艦を出すことは出来ないはずだ。
例え俺をポッドまで始末してもクローンで情報が流れるのだから、奴らは最後までテロリストぶっておかざるを得まい。
民間仕様のフリゲートぐらいではさすがにやられる事もない、適当に撃沈して、とっととおさらばだ。

さて、もう一段手を打っておこう。
先ほどの口上と同じような内容を、ガレンテ軍に対して通報しておいた、勿論今度はただのカプセラとして。
この件に噛んでいない連中には、俺はガレンテ軍に対して敵対行為をしているわけではありませんと、そういうアピールになる。
逆に届く所まで届けば、こっちが全て知っている事が伝わるわけだから、全力で消すか全く手を出さないかの二択だ。

当分カルダリ領で遊びほうけている俺を、情報を流される前に消すのは難しい。ならば茶番に付き合っておくほうが得というものだろう。
これで、うまく行けば証拠隠滅の為にこの宙域から撤収してくれるかもしれない。
まあ、場所を変えるだけだろうが、それはそれで、俺の仕事とは関係ない。


そんなわけで、舌先三寸のある意味楽な仕事ではあったが、ガレンテの出方もともかく、カルダリ側としてはこれで終わるわけも無いだろう。
面倒は嫌いなんだがな、と思いつつ、必死にさっきの楽な姿勢を思い出そうともぞもぞしながら帰路についた。

続く

2012/05/12(土) そして新しい船を買う事に

新しいお嬢様の装いは、ソーラックス!
ソーラックス.jpg
もう、財布がすっからかん。








Sakak Rydell「幸せの象徴とされた鳥は、はたして自身も幸せなのだろうか?」

依頼人は突然問うた。
「アチュラホワイトソングバードを知っているか?」

バード?鳥?あのぱたぱた飛んでるやつか?
シップで過ごす時間が長いほど働き者と思われる俺たちカプセラにはあまりなじみが無いものだ。かといって、俺が働き者かというとそうでもないが。
まあ、野鳥愛好家でもないので、まったく知らん。ホワイトソングというからには、白くて鳴き声がきれいなのだろう。
だからといって、興味が沸くほどでもなかった。

「知らんから、資料をくれ。」

向こうもその方が話が早いと思ったのか、すぐに用意してくれた。
幸せの白い鳥.jpg
アチュラホワイトソングバードは、サイシオⅡの山に生息する珍しい鳥だそうだ。
アチュラでは神聖な存在とされていて、旧アチュラ政府の残党がこの鳥のつがいをカルダリ連合に贈ったのだそうだ。
惑星外でも生息できるよう、遺伝子操作されているらしいが、神聖な鳥を遺伝子操作とか、よくわからんな。
とにかくその鳥が強奪されたらしい。それは旧アチュラの連中にも顔がたたんか。

強奪したのはガレンテの環境テロリスト、わざわざ声明まで発表してきたらしい。

まあ、声明を要約するとこうだ。
「環境を破壊しつくして成長してきたカルダリ連合がこの希少な鳥を大事にできるわけ無いだろう。」
まあ、もうちょっとごちゃごちゃ言っているようだが、こんなところで充分だ。
ガレンテが環境をそこまで大事にしてきたようにも思えない、俺はガレンテから来たからそう思うわけだが、この手口でこの声明は少し恥ずかしいな。

依頼人はさぞ腹が立っているのか、鼻息荒く言う。
「ガレンテを追いかけるのに口実などいらぬだろうが、こいつらは連邦海軍よりも価値が無い。」
怖い怖い、俺もガレンテなんだがと言うツッコミはよしておこう。

まあ、ガレンテだろうがなんだろうが、強奪はいかんよ、強奪は。
とはいえ、よくわからない大義名分をかざしているのに長生きできる連中は、大抵後ろに何かがいるものだ。
おそらく直接手を出せないガレンテの軍なりなんなりの支援を受けているのだろう。
向こうも向こうで、どうせ矢面に出てくるのは依頼を受けたカプセラであろうから、恨みっこなしだ。
ただの強盗なんだったらそれはそれで遠慮もいらんだろう。
割と詳細な位置データまで持たされて、俺は現場に向かった。

そこにはボロい…いや、太古のアクセラレーションゲートと、環境テロとやらの船が見えた。
見えた気がした。

気がした、というのは、それが一瞬だったからだ。

ワープしたのだろう、俺はそのゲートで後を追った。
追ったつもりだった。

だが太古の門番は俺を通してくれる気がなかった。
どうやらこの年代もののゲートでは巡洋艦の質量を飛ばせないようだ。
財布の中身を無重力にしてくれたソーラックスも万能ではないな。

いたしかたない、門番に気に入って貰えるよう、お嬢様の身なりを整えてくるか。

ユイトラに戻り、とりあえずハンガーで埃をかぶっていたマーリンを引き出してデータを転送する。
気の小さい俺としては、フル装備の、それにもう一回り大きいコーモラントかカタリスト辺りでしっかり準備したいところだがなにせ時間が無い、まあ先日のアレで、金もない。
装備もありあわせのレールガンは口径も弾薬もバラバラで頼りないが、ミサイルランチャーが残っていてくれたのはラッキーだな。
この前使いもしないのに特売だからと買っておいたインフェルノミサイルも思わぬところで役に立ちそうだ。

俺たちはそれ相応のナリに着替え、パーティー会場へ向かった。


ご丁寧に場内アナウンスか。
「おや悪いね、わが小さき友らの事を注意しておくべきだったな。」
そう言って主は奥に引っ込んでしまった。

小さき友ら、か…確かに小さい。
大量の小型ドローンがお出迎えだ。
まあ、アウェイのゲートに飛び込めば待ち伏せは当然だが、小さい船小口径の武装が飛び込んでくるのがわかっているのに小型ドローンとは、無駄な事をするものだ。
やられる為に接待してくれるのか、やられる事が接待なのか。いかんせん数が多い分、時間稼ぎにだけはなっていると思うが。

しかし、わかりきった結末。
急ごしらえの身支度でも問題ないものだ。
とはいえ、これで終わりではない、さっさと主に謁見を申し込むとしよう。

さて、奥には…
少し成長して大きくなったか?
フリゲートが数隻、さっきの奴は居ない。
ナメられたものだ、それとも、まだ時間を稼いで何かやらかす気か?
さっさと片付けておいて損はない。

回顧を中略できるぐらいあっさりと勝負はついた。
あまりに動きにキレがなかったからだ。もしかしたら、無人艦だったのかもしれない。
次へ行こう、そろそろ主には相手をしてもらわないとな。


そして、主はそこに居た。

「君には降伏するチャンスがあった。私は今、君を殺さねばなるまい。」
全く、その台詞、そっくりそのままお返しするぜ。


ん…いやちょっと待て。
まだ弾の届く距離じゃないだろう、何で撃ってくる。
この距離でもかすってるぞ、シールドブースターを回すぞ。

「既にアクティブにしてあります。敵艦は中型のタレットを搭載しているので射程距離が長いのは当然です。」
そういう話じゃなくて。
何でアイツは巡洋艦なんだよ、あのゲートじゃあ運べなかったろうに。

「正確な解答となるか不明ですが、ここで組み立てれば可能ではないでしょうか。」
ごもっとも。まさか、時間を稼いでいたのはこれを準備していたからか。

やっぱり急ごしらえの身支度だとなんともならん。
さっきとは180度違う事を考える。人というのは身勝手なものだ。

とは言っても、仕事はこなさなければならない。まあ無理でもせめて生き残らなくては。
遠くからゴリゴリ削られるだけではジリ貧だ。ここは無理に突っ込んででも詰めて行こう。
アフターバーナーを使うか。おっさんにこの加速はキツいんだがな…

シールドの8割と引き換えに30km近い距離をほぼゼロに詰めた時点で勝負は決まった。
いかに巡洋艦の火力が大きくても、すぐ傍を高速でうろつかれてはマトモに狙って撃つことは出来ない。
投降する気のない自称環境テロリストは、機体の7割も損壊しない間にさっさと脱出して逃げてしまった。

環境テロリストだけあって、鳥が入っていると思われるコンテナは厳重に封印されていた。これだと船が爆発しても鳥が無事そうだ。
しかし厳重すぎて、鳥が本当に入っているのかもわからないぐらいだ。
スキャンすると、中には生命反応が一つ。
もう片方はどうした。確か、つがいだと聞いている。もしや俺、やっちまったのか?

近辺を詳細にスキャンしたが、そういうよからぬ反応も、それを入れるべきコンテナの破片などもみあたらない。
そもそもこのコンテナが、元々二羽が一つのコンテナに入る設計になっているようだ。

中身だけ居なくなった?
もしかしたら、あの環境テロリストが持ち逃げしたのかもしれない。
だとしたら、まあしっかり育ててやってくれ。

その辺り報告したが、取り敢えずやむなし、ということで俺がペナルティを受ける事もなかった。
あとはこれを届けるだけだ。


マーリン.jpg
帰りのワープ中、うとうとしていた俺は、寂しい鳥の歌声を聴いたような気がした。



すまんな、うまくやれなかった。

2012/05/10(木) 初めての撃沈

可愛い可愛いアービトレーターちゃんが撃沈された!しかもガリスタスごときに!
今は亡きアビ子ちゃん.jpg
調子に乗ってレベル2ミッションとか受けるからですねはい、わかります。




Sakak Rydell「女に金をかけると、かけた分だけいい女だと思いたくなるものだ」


「私には感情がありませんが、ここは恨み言の一つでも言う場面なのですよね?」
うむ、今回ばかりは幾らでも言っていいぞ。

「現場へのワープ距離をもっと遠めに取って様子を見るべきだったのでは?」
「味方が完全にワープするまで見届ける必要は無かったのでは?」
「ダメージコントロールのアクティブタイミングが遅すぎたのでは?」
「何より全て、事前に私が提案した事を無視したわけですよね?」

いや面目ない。
お嬢様の小言をBGMにトボトボ帰る俺は、とりあえず自身が無事である事を伝えるべく、先にトンズラこいた仲間に回線を繋いだ。

「こちらサカック。今ステーションに向かっている所だ。」
「こっちは何もしなかったからもう着いてるぜ。お前は無事に逃げ切れたか?」

「まあ、一応無事だから今話している。」
「どうした?ショボくれて。」

「アービトレーターがやられた。20,000,000 ISKがパァだ。」
そう、船体だけなら550万そこらの船だが、なんだかんだと金をかけていたからな。
ちなみに普段俺が一度の依頼でもらう報酬は、大体5万そこらだ。
多めの時は、何かのボーナスと敵さんにたまにかかっている賞金が上乗せされるがせいぜい20万もいかない。
元をとる前に撃沈されてしまった。


傷心の俺に返ってきた慰めの言葉はこうだ。

「ぶっ、ダサっ、ぷ…クク…わりぃわりぃ…ぷぷ…」
ツボに入ったらしい。まあ、こいつはこんな奴だ。
ヘコむのもバカらしくなってきた。

とりあえず協議の末、これは船を買いなおした程度で対処できる仕事ではないと判断した俺達は、申し訳ないがエージェントにその旨を伝えて仕事から降りた。
まあ、普段真面目にやっていたからか、かろうじて残っていたログから敵戦力を知る事が出来たからか、今回の件はたいしたお咎めも無く他のカプセラへの割り振りを行ってくれた。

俺は仲間と別れ、ポッドの中でこれからの事を考えていた。

「やりません」は得意だが「無理でした」はなかなか久しぶりだったな…
小心者の俺は無理な依頼をそもそも受けない。だが、その時は甘く見ていたようだ。



数時間前のこの選択が、そもそもの原因だった。

結構しんどい仕事だと聞かされていた依頼は拍子抜けだった。これが落とし穴だった。
同じエージェントが連続で次の仕事を振ってきたのだ。しかも同じ場所へだ。さほど問題ない、そう思った。

実際はそうでもなかったってわけさ。

それでも念のために他のカプセラを一人連れて行った。
さっきフリゲートの2、3隻しか見かけなかった宙域にたどり着いた俺たちを待っていたのは、大量の赤シグナルだった。
しかも、半分以上が巡洋艦クラスじゃないか。

こちらは巡洋艦が2隻、武装は対小型艦なわけで、完全にアテが外れた。
即仲間に退去するように告げた俺は、すかさず捨てドローンを射出した。
だが、索敵距離の長い敵艦はまっすぐ俺をロックしやがった。
仲間の退去を見届けた俺は続いてワープを試み…たはずだったのだが。
その距離から既に撃って来るとは、困ったやつらだ。

取り敢えず、あきらめた。
この船でいかに逃げ切るかではなく、取り敢えず死なずに帰る事に決めた。
その決定が早かった事は命を繋ぐ事になった。幾らクローンがあっても誰だって痛いのは嫌だ。



「…私は痛かったわけですけれど?」
ああ、声に出していたのか、俺は。
しかし、嫌味まで言えるようになるとは、うちのお嬢様は本来の使い道と違う成長度合いがずば抜けている。
まあ無限に近い成長容量だ、せっかくならこういうことに使うべきだと俺は思う。

小言モードがまだ続いていたのだった。
「まあ、悪かったって。かと言っていまさらあそこにサルベージしに行くわけには行かないだろう。」
「服の事など言っていません。命に関わる事だけは言うことを聞いていただきたいだけです。」


俺たち二人の間では船の事を服と呼んでいる。
仕事の内容によって船を乗り換えるが、システムは同じものを使っている。
場面に応じて、服を着替えるイメージということだ。
そして、宇宙は孤独だ。誰にも迷惑をかけずに独りではない気分になりたい時もある。
俺が船のシステムを人扱いするのはまあ、そういうことだ。
例え機械だろうが、苦楽を共にして成長する相棒なのだから。

まあ、苦楽とかいいながら苦を避けて通る俺と共に居るのだから、楽しい事が多いだろう?
今度は何を言われるかわかったもんじゃない、さすがに口には出さなかった。

「さて、次の装いを決めに、ジタにでも行こうか。」
「貴方の戦闘は雑なので、そろそろ堅めの服でお願いしたいところです」
「やれやれ、金のかかるお嬢様だ。」

これが楽しいのだから、俺も困ったものだ。

2012/05/02(水) 失敗しても、いいじゃない

多分他の人から見ると、自分の遊び方はおそるべきローペースで進行してると思う
方向性とか決めてないし、やりたい事とかいわれてもその日の思いつきだし

まあ効率が悪いということは、長く楽しめるということかもしれないし
だいたい、これ1個分で、ミッション1回2回とかそんなんだもんね
んで、いつもの



Sakak Rydell
「魚は逃したほうが大きく思えるものさ」

亡霊達の接待

まあ、これは暇つぶしと言うものだ。
いや、むしろこれ自体が暇ともいえる、少なくとも、俺にとっては。

細かい作業は得意ではないのだがな。
じゃあ何が得意かと聞かれて答えられる要素がない。困ったものだ。

いい加減、特定しきれないシグネチャを追いかけるパズルにやや飽きてきたが、かといってここで中断するのは勿体無い。
勿体無いと言って更なる徒労を選ぶのは貧乏性だからか、と笑いながら一息入れようと思った途端、その場所は特定された。
飲み損ねた。これはあれか、なんとかの法則とかそういうやつなのか。

見つけたからには行かねばならない。
その場所が、俺に来て欲しいから見つかったのだ。俺に出来る程度の事なら、願いは叶えてやらなければならない。
まあ、危ない所ならごめんなさいして逃げればいい、逃げる暇があれば、だが。



それなりに、危ない所のようだ。
ワープバブルが崩壊する100km前には赤いシグナルが点灯していた。
ドローンらしき機体がいるわいるわ。だが付近に艦船はいないようだ。
が、形跡ならある。ワープ跡が薄く広く、これは相当デカい艦が動いた跡だ。だがそれがどこに行ったかなど、俺のポンコツお嬢様の装備でトレースできるわけも無い。
まあ、お嬢様が貴婦人になっても手がかりが少なすぎて無理だろうな。

ああ、悪い癖だ。
すぐに考えても無駄な事を延々考えてしまって、今すぐ考えるべきことをほったらかしていた。
妄想中にすっかりドローンに囲まれてしまった。このドローンは去った艦のものだろうか…いかんまただ、それどころではない。

得意でもない戦闘を強いられるわけだが、まあ世の中にはそれでもなんとかなる事もあるようだ。
ラッキーな事に、固体ごとの性能は高くないようで、徐々に数を減らしていけている。

しばらくの後。

嵐は去った。
もう何も無い。

ここに何も無いのなら、彼らは番人ですらない。何のためにこんなにいたのか。どうして俺を呼んだのか。
ただ来て欲しかっただけなのか、では今のはおもてなし、とう事か。
アンチマター弾を撒き散らす客をもてなしてくれた住人はその役目を終えて眠りに付いた。

住人を拾い上げるべく、サルベージャを起動した俺は、いややはり実は何かがあるのではという妄想に狩られ、カーゴを覗いた。
何の変哲も無い、破損した部品たち。所詮妄想は妄想か。

まあ念のため、お嬢様にも聞いてみよう、戦闘中のデータログをぼーっと眺める。
こういうものは細かく見ていくと大切な形を見失う。森の中からでは森の形がわからないのと同じようなものだ。

…このログのシグナルが途切れ途切れなのは何だ。
受信タイミングと俺達の位置関係、これは、指向性だからか。これはナイスヒント。
同じ方向に艦を向け、何度か指向性スキャンをかける。

ビンゴだ。妄想すれば叶うもんだ。

しかし、すでに手厚いもてなしを受けた後の俺達は、とりあえず出直すしかなかった。


お嬢様の身なりを整え、お互い腹いっぱいになった所でそろそろ追いかけよう。
彼らの主人はそこに居るのかどうか。

ワープバブル崩壊まで後50km…すでに接待確定のシグナル赤。
艦船は…無しか。またローグドローンのみ…って多いぜ、多すぎる。
まあ、まだ遥か先だ、順番に相手していけばなんとか…なるかどうか。

今回はワープ跡も無い、そこには多数の大型天文プローブ、そして廃棄された超大型のドック。
プローブの信号で擬似ジャミング状態だ。そうとう時間をかけて調査しないと無理そうだ。
見た目、巨大基地の跡ともいえるが、なぜ天文プローブなのか、明らかに海賊の住処とかとはタイプが違う。
ドローンが使うわけも無い、とするとこれは…

ああ、またやってしまった、悪い癖は抜けないものだ。
おかげさまで順番にどころか、すっかり皆様お近くにおいでで。
もうのんきな事を言ってられない。前より遥かに手厚い接待だ。
お嬢様の頑丈なスカートもここまでビームを食らえばあっさりめくられてしまう。このままでは30秒と持たずに丸裸だ、これはいかん。
慌てたせいか、カーゴの中身もぶちまけてしまって身軽になったのが功を奏したのか、なんとかワープすることができた。
俺の妄想のせいでぼろぼろになったお嬢様に謝って、身なりを整え再度の訪問。


しかしそこには、何も無かった。


ドローンも、ドックも、プローブも。
幽霊だったのか、役目を終えて去ったのか、むしろただの夢だったのか、いまだ妄想の中なのか。

もっとしっかり調査できていれば、色々な発見があったのだろう。
いや、あったかもしれないだけだ。
カーゴの中身を全部ぶちまけてしまったから、今回は本当の収穫無し。
戦闘ログと一瞬の映像と俺の記憶、何の証明にもならない程度の内容と…


結構な額の請求書。


俺のせいとはいえ、お嬢様の身支度には本当に金がかかる。

いや、考えようによってはけっこうなお宝をもらってしまったか。
俺とお嬢様のわずかな記憶の景色で何日妄想できるだろうか。

とりあえず第一弾の妄想はこうだ。
大型艦がいたであろうドックからして、多数の人間を乗せた艦があっただろう。
かといって、セントリーガン等の設備や戦闘艦船用のドックはなかった。あの巨大ドックもどうみても巨大戦艦の武装をどうにかするというような設備では無かった。
超巨大ドローン母艦という可能性は否めないが、他の武装が全く無いというのは考えづらい。

艦がもし、まだ見ぬ領域への移民船のようなものであれば、天文プローブだらけだったのも、まあ理由が付く。
そうであった場合、どこの誰か、それはわからない。
俺達の知らない種族が居たのかもしれない。
世の中には袖触れ合わない人の方が遥かに多いのだから、居ても不思議は無い。
まあ、妄想だから気持ちよく妄想したいじゃないか、これぐらい壮大なほうがいい。

わからずじまいは無限の妄想の種だ。
だが無限のお宝も無い事を実感すれば本当に無くなってしまう。たまには現実の存在を実感しなくてはいけない。
そろそろ一度、実感しないといけない、懐事情という悲しい現実もあるからな。
その為にも、次は何か、見つけないと。


しっかし、くどいようだが現実の収穫は何もなしだ。
貧乏性の俺は、最初の番人をせこせことサルベージまでしてたのに。
これといった実入りもなさげだったし、せめてジャンクだけでもと。
かける時間の割に儲からない事をやりたがる割には、結構セコい。自覚はある。

まあそれも結局、ぶちまけてしまったからな、すっからかんだ。あの景色と一緒に消えちまった。
一緒に…?消えた?

ん…?
あ…

ああ!
俺は、そのために呼ばれたのかもしれない。

幻の宴場.jpg

1: Smile@しおさば 『どうも、最新のページが見れてないようじゃな。 昨日コメントを入れたんじゃが、4月16日の記事は無かったんじゃよねえ。。。。 今、...』 (2012/05/02 21:33)

2: サニぽん 『16日のエントリはこの前まで非表示で画像撮影して足したり内容を色々編集してて、出来たからやっと表示にしたっていういきさつなんで、...』 (2012/05/03 3:01)